コラム


ちょっと一息、肩の力を抜いて見て下さい。

三角窓

△長引く拉致問題の解決

 盗まれたものを返して欲しいと言ったら、今まで盗みを否定していたのに、突然、確かに盗みました。一旦返しますと返して貰った。今度は返さないと言ったら約束違反だと言って次の交渉に入れない。しかし、よくよく考えると何だかおかしい。元々自分の物なのに一時返して貰うなんて、ではこれは誰のものなのだ・・・

 人と物とを一緒にした全く失礼な例えだが、拉致問題のこじれを見ていると何だかこれに似た割り切れない感覚に陥る。しかし、5人が凱旋者のごとく飛行機から降りてきた時には、2週間程の一時帰国であることに疑念をもった言葉はどこからも聞かなかったような気がする。政府間の約束ではなかったようだが、一時帰国が前提だったことに間違いはなさそうだ。新聞・テレビでも一時帰国の報道ばかり見られた。

 政府が5人を返さない理由の一つとして、本人が帰りたくないと言ってるから、事情変更の原則によるのだと。これだけでは納得が得られそうにない。

 相手が、約束を守らないのでは交渉にならないと言ってるのだとしたら、相手の納得のいくような説明がされない限り、次ぎの交渉に進むのは大変だ。

 今考えると、なんで一時帰国ということに問題があることが、分からなかったのだろうか。今更言ってもしょうがないことだが、ここに大きな問題があるような気がする。

 交渉の難しさは十分理解できるが、迷路に迷い込むような日々の報道を見聞するにつけ、その進展が心配になる。

 25年は実に長い年月だ。その間には、捜査当局は勿論、政治家も様々な動きをしている。今になって拉致の現実がはっきりして見れば、なんであのような発言、行動がされたのかが問われている。

 今まで拉致はないとか、拉致という言葉を使うことを避けるようにしてきた人達は、それなりの識見と信念で行動してきたのだろう。拉致が現実となった現在、そしていまだその解決が不透明な状態であることを考える時、いたづらに過去の言動を謝るだけでなく、解決に向かっての行動が期待されるのだが。

反歌

  世を挙げて一時帰還を喜びし今にし思えば誠おかしき

  謝罪とは実のなき言葉になりにしか他国にしても吾国にしても

  荒立てず事を運ぶの交渉は限界ならん力試さる

2002年11月25日

三角窓

△体育の月 〜ゴルフ考

 以前は体育の日は10月10日と定められていたので、なんとなく親しみがあったが、日曜に引っ付けられて10月の第二月曜日となってから影が薄くなったような気がする。これも年を重ねれば徐々に馴れてくるのであろうが。

 気候も良い10月は、特に祝祭日に指定がなくても、自然に体を動かしてみたくもなる。しかし何につけてもきっかけが物を言う。そんな事から10月はスポーツ関係の行事が組まれることが多い。

 高齢者の仲間入りした私の出来るスポーツといえば、ゴルフぐらいのもの。そのゴルフが今月は集中し、沢山の交友関係が得られて楽しい日を過ごした。ゴルフを語るにしては余りにも下手な私だが、下手は下手なりに語れるのもゴルフのいいところ。

 その一 日本測量協会関東支部主催の100人コンペが茨城県の浅見カントリーで開催された。第19回という。測量人の勇姿がグリーン上を湧かしたが、最近の景気の停滞を反映してか今年は100人の参加が得られなかったとか。しかし85歳の長老が、東京から100キロのゴルフ場まで車を運転して来、元気にプレーをした報告に明るい拍手が送られた。

 その二 日経新聞主催のゴルフ ホーラム2002〜ゴルフをみんなのスポーツへ〜が10月17日 日経ホールで開催されたので行ってみた。

 シニア向きに 海老原 清治・高橋 勝成選手のトークショウと「変わるゴルフ風景〜ゴルフの活性化に向けて」のパネル・ディスカッションであったが、会場は満員でゴルフの根強い人気を表していた。

 内容は低落しているゴルフの人気を、如何に向上させるかという事が主体であった。細かいデータを頂き、せめてゴルフの周辺情報を勉強したいと思っていた私には、非常に面白かった。ここにその一部を抜粋し紹介しよう。

◎ 失われた10年の検証
単位 1992年(イ) 2001年 (ロ) ロ÷イ
ゴルフ人口(コース) 千人 12.742 12.425 97.5%
ゴルフ人口(練習場) 千人 18.693 13.638 73.0%
コース予備軍 千人 5,961 1,213 20.4%
ゴルフ場数 2,029 2,460 121.3%
ゴルフ場入場者数 千人 102,325 87,300 85.3%
年間・回数 87.5%
プレー費 @ 19,200 14,700 76.6%

◎ 日米ゴルフ市場の比較

日本 米国
推定ゴルフ人口 1,160万人 2,640万人
ゴルフ場数 2,330施設 16,7000施設
年間平均プレー回数 8回 20R
一回当たり平均費用 17,100円 3,800円
一施設当たり利用者数 41,000人 1,583人
一施設当たりゴルフ人口 4,979人 1,583人

 以上の外、年齢別のゴルフ人口等の現状分析と将来展望の資料が多数あるが、割愛せざるを得ない。この二表だけでもこの数字を眺めていると社会状況が伺われて面白い。コメントは省こう。

反歌

 またしてもバンカーショットを乱打して妻の忠告素直に聞きぬ

 健康に良しといえどもおおたたきすればストレスおおいに溜まる

 不景気の続くを今日も嘆きつつプレー費用の安きを喜ぶ

(小暮 喬記)

2002年10月25日

三角窓

△敬老の月

 敬老の日が近づくと、老人についての色々の情報が新聞やテレビを飾り、改めて高齢化時代を認識させられる。

 総務省が「敬老の日」にちなんで発表した、9月15日現在の75歳以上の人口は1千3万人、65歳以上は2千3百62万人であると言う。わが国の65歳以上人口の総人口比18.5%は、高齢化が進んでいるイタリア(18.2%)やイギリス(15.6%)を上回り世界最高である。2千15年には3千2百77万人(26%)に達すると言う。

 この統計数字からは、高齢化時代の医療等の諸問題が浮かび上がり、大変な時代の到来と覚悟をせまられる。

 年齢構成の推移は確実に予測されるのであるから、予め的確な対策が打ててよさそうであるが、政府の対応は今一つテンポが遅いような気がする。もっとも高齢化時代の生き方は、外部からの施策と同時により個別的な問題も多く、各人の責任と自覚が必要であろう。

 誰でも元気で長生きがしたい。そのような人達の参考にと、100歳でも張り切っている人の日常が良く紹介される。テレビで紹介されるだけあって、これらの人々は実に元気で羨ましい。この様な人は多分、医者にもあまり罹らず、薬の世話にもならない日常であるようだ。

 増え続ける一方の高齢者医療費の抑制策として、10月1日から老人医療制度が改正される。大変な負担増となる病人もいようが、高齢化の早いテンポの到来と医療財政の悪化を考えると、止むを得ざる施策なのだろうが、今度の改正でも未だ医療財政の健全化には程遠いようだ。老人は勿論これを支える若年層も税金や保険料の値上がりに落ち着いていられない。

 病気の予防対策は色々研究され実施されているが、「生き生き100歳」の人々を見るにつけ、これを参考にして中高年の健康増進施策を総合的に、かつ大々的に実施する必要を痛感する。

反歌

  医者などの世話にならぬと数々の健康法に挑む健気さ

  道に垂るる萩の小枝に触れにつつ住宅街の静かな歩み

  おしゃれせよ此れが健康対策と聴きてネクタイ赤きを選ぶ

  定年を過ぎて今なお友の増ゆへぼな短歌をかすがいにして

                                (小暮 喬記)

2002年9月25日

三角窓

長らく休んでいたコラムを再開します。

△8月と言う月

 戦後、一年の内でも8月は特別の月になってしまった。

 57年間の8月の新聞を読んでみると戦後史の面白い流れが分かるだろう。いつかゆっくりと読んでみたい。

 昨年の8月は小泉総理の靖国神社参拝で世情を賑わした。歴代総理の参拝問題は常に物議を醸し、来年こそはすっきりした方向が出されるだろうと言う期待を残して過ぎて来たのであるが、一向に進展はなかった。

 自民党を壊すと言って総理になった小泉首相のことだから、靖国参拝問題も、多少の混乱はあっても解決してくれるだろうと、微かな期待をもったものだ。しかし、昨年は,,公約の8月15日でなく8月13日参拝と言う変則的方法で体ををかわし、国立の戦没者追悼施設を建設するとの方向を示しただけで、問題は先送りされた。一年後の今年の状況は・・

 福田官房長官の私的諮問機関「追悼・平和記念碑等施設の在り方を考える懇談会」は、年末には追悼施設が必要との見解を打ち出す方向のようだが、超党派議員の反対署名は100人を超えたと言う。靖国神社とA級戦犯合祀の問題と絡んで、追悼施設の建設の問題は余りにも難しい問題を抱えている。

 この問題に限らず、最近の経済・金融・産業・教育政策等(景気浮揚策としての公共事業の推進・ペイオフの先送り・ゆとり教育等)の議論を聞いていると、賛成・反対のどちらの意見にも妥当性が認められ、簡単に一方の意見ばかりに組しがたく迷ってしまう。判断材料の情報不足、知識・認識不足にもよると思うが、大変な時代である。

 こんな時こそ、有識者の、マスコミの的確な意見が知りたいのだが、これも、問題を難しくするばかりだ・・・

 難しいと言って問題の先送りは混乱を招くばかりだ。混迷を早く抜け出す施策の推進が待たれる。

反歌

  靖国に眠れる兵を引き合いに我田引水の議論果て無し

  決着を曖昧にするもどかしさ腹立て居るは老いの証しか

(小暮 喬記)

2002年8月25日


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